タカラガイの仲間2 Cypraeidae

 ここで紹介するのは僕のお気に入りのタカラガイ。といっても、別に
珍しい種類を紹介するわけではなく(そんなものはほとんど持っていな
い)、ただ単に個人的に好き!というだけの独断と偏見で選んだもの。
でもじっくり見てもらえれば、納得していただけるだけの美しさはどの
貝も持っていると思うので、しばしおつき合いを。         

     
タイトル  アジロダカラ Cypraea ziczac
 貝殻を意識して拾い始めてから、最も気になっていたのが
 この貝。だって、見てちょうだい。この貝殻の模様。しか
 も学名がジグザグ!美しい貝殻が多いタカラガイの中でも
 個人的にはこれがダントツ1番なのだ。しかし、この貝殻
 はなかなか手に入りらなかった。分布では地元・相模湾も
 含まれているし、それを裏付ける写真資料もあったけれど
 自分では見つけることができなかった。ところがある時、
 伊豆大島でダイビングをしている最中に、ついに見つける
 ことができたのだ。右の貝殻は一緒に潜った友人のガイド
 が見つけてくれたもの(感謝!)。          
     
タイトル カノコダカラ Cypraea cribraria
 アジロダカラに次いで気に入っているタカラガイが、こ
 の貝。理由はお分かりだよね。そう、その見事な鹿子模
 様。派手な色彩はないけれど、とても自己主張がはっき
 りしていて美しい貝殻だと思いません? この貝殻はア
 ジロダカラに比べると見つけやすいもの。初めて見つけ
 たのは海外の海だったけれど、その後、伊豆諸島の八丈
 島へダイビングに出かけると、割と簡単に見つけること
 ができた。また、沖縄の海でも拾うことができる。でも
 あまり浅い場所にすんでいないのか、海岸で拾うことは
 ほとんどないかも。                
     
タイトル  カミスジダカラ Cypraea clandestina
 一見、地味なタカラガイだけど、よく見ると薄茶色の地肌
 の奥に細い線模様(髪筋)が走っている、何とも繊細な模
 様のタカラガイ。僕はこの繊細で奥ゆかしい模様がとても
 気に入っている。カミスジダカラは比較的浅い場所にすん
 でいて、ごく普通の種類らしいのだけど、あまり拾う機会
 がない。ただ、生息環境からダイビングよりも浜歩きの方
 が、拾うにはいいのかも。写真のものは沖縄の西表島の海
 岸で拾ったもの。けれど貝のトップページにも書いたけれ
 ど、浜辺でこれだけ状態のいいものを拾える機会はそうそ
 うあるものじゃないのだ。              
     
タイトル  ゴマフダカラ Cypraea punctata
 大きさが1センチに満たない、可愛らしいタカラガイ。
 白い地色に褐色の斑点(胡麻斑)があるのが、名前の由
 来だろう。このタカラガイを拾ったのは過去に1度だけ
 で、沖縄の慶良間諸島・阿嘉島にあるニシバマという海
 岸に行ったときだった。リーフエッジなど比較的浅い場
 所にすんでいる貝で、沖縄の貝類図鑑でも少ないものと
 されている。慶良間諸島はダイビングのメッカだけど、
 貝殻を拾うのにも適した場所で、僕もいくつかお気に入
 りの貝殻を拾った経験がある。それだけ海の環境がよい
 場所なのだろう。                 
     
タイトル  ウキダカラ Cypraea asellus
 白地に焦げ茶色の3帯。シンプルというか大胆というか、
 そんな模様をしたタカラガイ。名前の由来はもちろん魚釣
 りの浮きに例えたものだと思う。神奈川県から沖縄まで、
 各地の海岸で普通に拾うことができるけれど、摩耗の少な
 いものを拾うのはなかなか難しい。一見、きれいなものも
 見つかるけれど、表面にしっかりと光沢のある滑層が残っ
 ているものはごく少数。けれど、少しくらい摩耗して帯の
 色が淡くなったものの方がきれいに見える気がしないでも
 ない。ちょっとしたアクセサリーにするにも適したタカラ
 ガイかも。                     
     
タイトル  ナシジダカラ Cypraea labrolineata
 ナシジダカラは梨地、つまり果物のナシのような模様を
 したタカラガイで、暖かい海ならどこでも拾える。あく
 まで個人的な印象だけど、特に伊豆諸島では簡単に拾う
 ことができる気がする。まったくの普通種なのに、なん
 となく模様の感じが気に入っている。果物のナシが好き
 だから、ひいき目に見てしまうのかな? 違う種類に名
 前の似たウミナシジダカラがある。こちらは比較的深い
 場所にすみ、やや珍しいもので、まだ拾えていない。ラ
 ンク的にはナシジダカラが長十郎なら、ウミナシジダカ
 ラは幸水や豊水といった感じかも。それじゃ可哀想か…
     
タイトル  サメダカラ Cypraea staphylaea
 この貝もそれほど珍しいものではないけれど、なぜか気に
 入っているもの。グレーの地色で、貝殻の両端が茶色。そ
 して、貝殻の表面に小さな突起が無数に散らばっている。
 名前の由来は知らないが、表面のつぶつぶを鮫肌に例えた
 ものかな?などと想像している。貝殻の裏面は殻口に向け
 て何本もの横皺があり、その皺も薄茶色に彩られている。
 写真の貝殻は沖縄の西表島でダイビング中に拾ったもの。
 それ以外の場所でもよく見つかり、僕の住む神奈川県の海
 岸でも漂着しているのを拾ったこともある。      

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