タイトル

ドングリ Fagaceae sp.


 ドングリはブナ科樹木が実らせる堅果の通称。誰もが子供の頃に雑木
林で拾って、遊んだ思い出があるはずだ。もちろんドングリは海流散布
植物の種子ではなく、自然落下による散布と動物散布によって分布を広
げている。堅果とは言え、オニグルミなどに比べるとその外果皮は薄い
もの。短時間なら水中、海中に浸かっても平気かもしれないけれど、長
時間の漂流にはとても耐えられないだろう。そんなドングリだけど、海
岸を歩くと拾うことができる。多いのは海岸近くの林に生えるスダジイ
やマテバシイ、カシの仲間。でも、ごく稀に川を流れ降ってきたらしい
クヌギなどを見ることもある。                  


タイトル  マテバシイ Pasania edulis
 暖地の常緑広葉樹林に生える木。本州のものは自然分布で
 はないと言われているが、公園樹や街路樹としてよく植え
 られているためか、僕の住む神奈川県の海岸でも見かける
 ことが多い。ほかのドングリに比べてやや細長い形が特徴
 的なので、判別は簡単。脂肪分が多く渋みが少ないので、
 軽く炒れば食べられます(木から落ちたもの)。   









タイトル       スダジイ Castanopsis cuspidata var.sieboldii
      スダジイはツブラジイ(コジイ)の亜種とされる。コジイ
      の方がスダジイに比べてドングリが球形に近いのが特徴。
      関東地方ではスダジイの方が一般的で、街路樹や公園樹と
      しても植えられている。ドングリは大きな殻斗に包まれて
      いて、ドングリが熟すと殻斗が割れて顔を覗かせる。落下
      するとショックで殻斗からこぼれるものもあるが、殻斗に
      包まれたままのものも多い。マテバシイ同様、軽く炒って
      食べることができるが、さすがに漂着したものは無理。 







タイトル  オキナワウラジロガシ Quercus miyagii
 TOP写真もオキナワウラジロガシ。このカシは琉球列島
 だけに分布する常緑広葉樹で、大きさが3センチという
 日本最大のドングリをつける木として、ドングリマニア
 (がいるかどうかは別として)には有名。TOP写真のも
 のは西表島の月が浜で拾ったもの。この浜はすぐ横に沖
 縄県最長を誇る浦内川の河口があるので、山奥から川を
 下ってきたのだろう。時間が経っているのか全体に黒ず
 んでいるけれど、腐っているという感じではない。左の
 写真は同じく西表島の山中で拾ってきたもの。    



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