タイトル

コウヤボウキ Pertya scandens


 この花、わりと好き。秋の雑木林に行けば必ず見られる、珍しくも何
ともない花なんだけど…。細い花びら(花冠の裂片)の先端がくるりと
カールしているところとか、花から突き出た雌しべとかが花の絶妙なア
クセントになって、派手さはないのだけれど、いい味出しているのだ。
そしてまた、花の後の綿毛も冬枯れの中で目を引いて、心をくすぐって
くれる。高野山で、この木の細い枝を集めてほうきにしたことが、名前
の由来。そのほうきは、京都伏見の造り酒屋でも、桶の掃除に使われた
といわれている。でも、この花を見たら、とても枝を折ってほうきに…
なんてできやしないよ。                     

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