タイトル

クルミ Juglans mandshurica


 日本の海岸で最も普通に見られる漂着種子で、その種類は北海道から
九州に分布するオニグルミ(J.m. var.sachalinensis)。オニグルミの
種子散布は一般には自然落下による散布と、ネズミやリスによる動物散
布と言われている。しかし、その生育環境は山野の湿った場所や沢沿い
だし、海岸にこれだけ多く流れ着くことや、大きな河川の河川敷にポツ
ポツと生えていることから考えると、水(流)散布もその繁殖戦略に取
り入れられている、と考えられる。事実、海岸に流れ着いた種子は発芽
能力を残しているし、石井忠先生の著作「漂着物事典」には、山口県の
海岸に生えるオニグルミの木が紹介されている。ところで、西南日本で
は外国産(台湾や中国)のクルミも流れ着くらしく、僕も沖縄の西表島
でそれらしきクルミを拾ったことがある(TOP写真)。       

タイトル タイトル
         漂着(左・八丈島/非自生地、右・西表島/非自生地)

タイトル タイトル
        (左)ネズミの食痕が残るものも多い。(右)ヒメグルミ J.m.var.cordiformis も稀に流れ着く。

拾得地:神奈川県ほか各地、八丈島、沖縄県西表島


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