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好きな野草はなに？と聞かれたら、とっても悩むけれど、この花を挙
げると思う。春まだ浅い雑木林の林床に、ひっそりと花を咲かせる。そ
の清楚な佇まいを、源義経の愛人で白拍子の静御前に例えたのが、名前
の由来だという。「ヒトリ」は「一人」で、１本の株に花穂が１本つく
ことによる。花には花びらがなく、白いものは雄しべの花糸。花を彩る
花びらがないことが、還ってこの花の魅力になっているのだから不思議
だ。光沢のある４枚の葉も印象的。この葉は輪生しているように見える
けれど対生。神奈川県では主に北部の丘陵、山地で見られるのだけれど
県南部にある自分の地元では見られないのが、ちょっと残念なのだ。
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