タイトル

アダン Pandanus odoratissimus


 アダンは琉球列島の海岸にごく普通に見られる植物で、海岸林の最前
線に枝を広げ支柱根を伸ばして生い茂っている。パイナップルのような
果実(集合果)をつけ、赤橙色に熟すと食べることができ、柿のような
味がする。と言っても、お腹いっぱい食べるのではなく、ほのかな甘み
を楽しむ程度のもの。果実はその後バラバラになって地面に落ち、大潮
や高波のときに海に流されていく。沖縄県の西表島などでは、このアダ
ンの葉の隙間にヤエヤマツダナナフシという巨大なナナフシがすんでい
る。このナナフシは飛べず、仲間は日本よりも南方に分布することから
ラフティングによって分布を広げてきた昆虫と考えられている。海流散
布植物に海流によって分布を広げた昆虫がすむのも、なんだかとっても
おもしろいと思いません?                    


タイトル タイトル
          集合果 かじると柿の味。         アダンの落果。この後、大潮や高波などのと
                               きに海に運ばれる。


拾得地:沖縄県西表島

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