ふきのとうで「蕗味噌」

 もっとも馴染みのある山菜の1つ、フキ。特にフキノトウは春の訪れ
を告げる、自然からの使者でもある。神奈川県南部では2月中には顔を
出すので、うっかり旬を見逃してしまうことも多い。天ぷらや素揚げに
しても美味しいけれど、今回はかなり小ぶりだったのと、もう少し料理
ぽく見える(笑)ものということで、蕗味噌を作ってみた。レシピには
資料によって多少の違いがあるけれど、そこがおばあちゃんの味、おふ
くろの味になっているのだろう。お酒やご飯にもよく合う一品だ。  


     
タイトル   ふきのとう(フキ)
  フキはキク科の多年草。本州から沖縄に分布し、田畑の畦、
  山道の端、林縁の斜面などに見られる。昔からよく利用され
  ている山菜の定番で、フキノトウのほか葉柄をきゃらぶきや
  煮物、葉を佃煮などにする。フキノトウには雄株と雌株があ
  り、雄株の花は黄色ぽく、雌株の花は白っぽい。(*植物的
  な、詳細な解説は省きます。図鑑などでご確認を)東北地方
  や北海道には、変種のアキタブキが分布し、フキよりも大型
  になる。八百屋さんやスーパーマーケットで見かけるフキノ
  トウは、このアキタブキのもの。            
     
タイトル  @採集
 フキノトウを採集するのに、道具は特にいらない。手で
 根元を持って、ちぎるようにねじれば採集できる。雄株
 と雌株のどちらも利用できる。と言っても、それが見分
 けられるほどに育ったものは旬が過ぎているから、採集
 しないでおこう。食べ頃は、まだ苞葉に包まれたもの。
 今回は株が貧弱だったので大小4つを採集。1〜2人で
 楽しむなら、それで十分。             
     
タイトル  A茹でる
 採集したもにのは泥がついているので、水でよく洗う。
 洗ったら1分ほど軽く茹でる。もちろん茹でずに使って
 もいい。今回は茹でて使ってみることにした。レシピは
 本やネットなど資料によって多少違いがあるので、割り
 と一般的そうなものを選んだ。中には「苦いのが苦手な
 人は、何度か茹でる…」などと書いてあるレシピあった
 が、フキノトウの味は苦みが身上。そんなことしないと
 食べられない人は、山菜を食べる資格はないだろう。山
 菜はエグいのが当たり前だ。            
     
タイトル  B水にさらす
 茹でたものを水にさらす。と言っても気休め程度。あま
 り水にさらすと、せっかくの苦みが薄れてしまう。茹で
 たフキノトウは、採集した時よりも緑が鮮やかになる。
 味覚的には茹でなくてもよいのだけれど、視覚的には茹
 でた方がいいかもしれない。水から上げたら、よく絞っ
 て水気を切っておく。               
     
タイトル  C細かく刻む
 水気を切ったふきのとうを細かく刻む。たたくように…
 と書てあるものもあるが、適当にザクザク刻んでみる。
 刻む大きさは、おそらく個人の好みでいいと思う。大き
 めに刻めば歯ごたえがいいだろうし、細かく刻めばなめ
 らかな舌触りになるはず。今回は結局、やや細かめの感
 じになった。                   
     
タイトル  D味噌と和える
 味噌と和える。味噌は無添加の赤味噌を使用。量は適当
 (目分量)。また、みりんを少々と砂糖を微量入れる。
 この段階はレシピも千差万別。味噌だけで和える人もい
 れば、味噌とみりん、砂糖を軽く火にかけながら混ぜる
 人、フキノトウに軽く火を通す人などさまざま。ピーナ
 ツやクルミなどを一緒に和える、と言うものもあった。
 今回はシンプル目に。味噌だけでは箸にくっつき和えに
 くかったけれど、みりんを入れたら和えやすくなった。
     
タイトル  E完成
 完成!調理時間はざっと20分もあれば OK。男性でも難
 しいことは一切なしだ。酒の肴にもなるけれど、僕はほ
 とんど飲まないので、ご飯のお供に。今回は味噌の量が
 多かったのかちょっと塩辛い感があったけれど、かえっ
 てご飯が進むことに。フキノトウ独特の爽やかな苦みが
 楽しめ、春の訪れを感じることができるはずだ。   


ふきのとうでこんなことも…

タイトル  蕗の薹パスタ
 なんのことはない。フキノトウをざく切りにして、パス
 タの具にしただけ。油との相性はいいので、サッと炒め
 てからパスタと和えればいい。切ったまま置いておくと
 アクで色が悪くなるから、炒める前にザクザクっと切っ
 て、すぐ投入!という感じがいいみたい。そのほかの具
 はあるもの(タマネギ、ニンジン、鶏肉)を適当に使っ
 たのだけれど、鶏肉よりもベーコンやハムなんかの方が
 合うような気がする(買いに行くのが面倒だった…)。
 実に簡単に作ったのだけれど、これが意外に美味しい。
 ふんわりとフキノトウの香りがして、個性的なパスタに
 なった。フキノトウは、少し開いたものでも大丈夫だ。

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