キクラゲで「いろいろ」

 野山の幸の代表であるキノコ。キノコを自分で採って食べたい…と思
う人は案外多いようだけど、キノコは素人がおいそれと手を出せない世
界でもある。そう。素人には、食べられるキノコと毒キノコの判別が、
とても難しいのだ。キクラゲは食用菌として有名で、その仲間にも基本
的に毒がないとされている。要は食えるか食えないか、美味いか不味い
かの違いということになる。それでも、自分で初めて採集して口にする
ときには、なかなか勇気がいる。やはり、同定に自信がなければ手を出
すべきではないのがキノコの世界なのだろう。もちろん、自信を持って
いても“当たる”人がいるのだけれど…。僕は今のところは大丈夫だ。

ここでは、あくまで自分の体験を紹介しているに過ぎません。キノコ類
の採集、利用については、自己の責任においておこなってください。 


タイトル タイトル

  アラゲキクラゲ
キクラゲの同科同属の近縁種。僕の数少ない経験では、神奈川県南部ではこちら
の方をよく見かける気がする。キクラゲは北方系、本種は南方系の傾向が強いよ
うだ。名前の通り、背面に毛が密生しているのが特徴。肉質はややかためで、色
も濃い目。広葉樹の枯れ木、切り株、倒木などに生える。古い木の杭に生えてい
るのも見たことがある(写真左)。乾燥すると縮んでかたくなり(写真右)、見
ための印象が変わるが、この状態でも利用できる。盛りを過ぎたものとの判別は
まだよくわかならいけれど、乾燥しているだけのものには、まだ生気がある…と
いうのが正直な印象。盛りを過ぎたものは、なんか汚い感じがする。     
     
タイトル タイトル

キクラゲ(左)とシロキクラゲ(右)
神奈川県南部では、キクラゲも時どき見かける。こちらの方はアラゲキクラゲに比べて肉厚でぽってり
柔らかい感じ。色も薄めで透明感がある。見かけは、こちらの方がずっといい。乾燥すると小さく縮ん
でかたくなるのは、アラゲキクラゲと同じ。シロキクラゲは、まだ一度しか見たことがない。もともと
菌類には興味が薄かったのだけど、野山を歩いていて見かけた記憶がない。写真右のものは、残念なが
ら勇気がなくて食べていない。今思えば残念…。本種はキクラゲやアラゲキクラゲとは別科のシロキク
ラゲ科のキノコ。近縁種にハナビラニカワタケがあある。その他では、ヒメキクラゲ科のタマキクラゲ
をよく見かける。形に丸みがあり、見た目がブヨブヨした感じで気味悪く、こちらも食用は未経験だ。

     
タイトル  @もどす
 右写真は、上で紹介しているアラゲキクラゲの乾燥して
 いる方。水につけるとみるみる膨らんで、もとの柔らか
 さを取り戻した。採集したものも乾燥させれば保存が利
 く。と言うか本来は一度乾燥させてから利用することが
 多いようだ。ここで紹介した調理例では生のまま使って
 いるので、次に機会には一度乾燥させてから利用してみ
 たい。写真の一番大きなものは直径8センチほどもあっ
 た。ちなみにページトップの写真は、右がアラゲキクラ
 ゲ、左がキクラゲ。大きなもので直径4センチほど。写
 真1皿で、1人で食べる分には十分すぎる量だ。   
     
タイトル  A野菜炒め
 キクラゲ類は、味に癖がなさ過ぎ。食感が命のキノコだ
 と思う。最初に試したのは野菜炒め。キャベツとニンジ
 ン、タマネギと一緒に炒める。大きなものは、適当に切
 る。キクラゲと言えば、何となく中華!という印象だっ
 たので、油はゴマ油を使い、味付けは味噌に豆板醤を合
 わせてみた。もっと本格的な中華風炒め物の方が合うの
 かもしれないけれど、ようするに作り方を知らないし、
 調べるのが面倒だっただけ。でも味はよかったし、キク
 ラゲの食感もなかなかだったもん。         
     
タイトル  B天麩羅
 ほかのものを天麩羅にしたついでに、アラゲキクラゲも
 揚げてみた。水気が多いのか、鍋に入れると油がよく跳
 ねる。そして、風船のように膨らむ。それ防ぐには、揚
 げる前に水気をよくふき取り、包丁で少し切れ目を入れ
 るといいのかも。油から出してしまえば元のように縮む
 ので何の問題はないけれど、ちょっとビックリする。食
 べるときは、塩でも醤油でもお好み次第で楽しめる。 
     
タイトル  C汁の実
 上2品はアラゲキクラゲを使用。キクラゲは汁の実にし
 てみた。と言っても、生で使ったので、汁にしてもそれ
 ほど味が出なかったようだし、キクラゲにはナメコのよ
 うなぬめりもない。食感だけでは、やや物足りなさを感
 じた。もっとも、この味噌汁。作ったときにちょっと携
 帯メールをしていたら煮立たせてしまい、出汁の味が飛
 んでしまったので、物足りなさはそのせいもあるかも。
 ちなみに、合わせた具は長ネギとお豆腐。市販のキノコ
 なども入れ、具だくさん味噌汁にすれば美味しいかも。
 あ。別に不味いわけではないですよ(笑)      

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