ツクシで玉子とじ |
ツクシと言えば、身近な山菜の代表だ。でも、自分ではほとんど食べ |
![]() ほとんどの人はご存じだと思うけれど、ツクシという植物は ない。ツクシはトクサ科のスギナの胞子茎で、他の植物で言 えば花のようなもの。本来の葉や茎であるスギナは、ツクシ が消えた後に伸びてくる。地下茎でも増えるので、辺り一面 にツクシだらけということもある。よい場所を見つければ、 一度に相当量の収穫が出きるだろう。案外、空き地や住宅地 の土手など、何気ない場所に生えていることが多いから、自 分の家のまわりをもう一度見回してみるといい。早春から出 始めるので、うっかりしているとチャンスを逃すかも。 |
![]() ツクシの下ごしらえは、“はかま”を取ること。かなり 面倒くさい作業だけれど、はかまは固くて舌に残るから 丁寧に取り除く。胞子が出る前の、頭の部分が固いもの が最適ということだが、胞子が出ているのを採ってきて も頭の部分を取って茎だけにしてしまえば問題はない。 それにしても、時間がかかるし大変。家族数人分なんて ことになったら辛いので、みんなで楽しく下ごしらえ… というのが理想的かな(笑)。 |
![]() 頭の部分が少しでも開いていると、けっこう胞子が落ち るので、水洗いして胞子や泥などを洗い流す。料理にも よると思うが、今回はアク抜きのために最初に茹でてみ た。本によっては重曹を一掴み…などと書いてあるもの もあるけれど、そこまでする必要はないだろう。頭の部 分が茎より苦いけれど、さほど気にならない。フキノト ウが平気なら、まったく大丈夫。 |
![]() 茹でたものをザクザクとぶつ切りして、そのほかの具と 一緒に煮込み、玉子でとじる。今回はがっちりご飯のお かずになるように、鶏肉とタマネギを入れた。親子丼の 具とほとんど同じ。煮汁は、醤油、みりん調味料、出汁 (出汁の素をお湯で溶く。そばつゆの素があれば簡単) ほどほど煮え味が染みたら溶き玉子をかけて、蓋をして しばらく煮る。 |
![]() 今回は若干、醤油味が強くなってしまったためか、意外 に苦みやエグみをほとんど感じず、ちょっと拍子抜け。 茎も煮えてしまえば柔らかいので、特に歯ごたえがある わけでもない。う〜ん…煮すぎ?(笑) 味が染みるよ うにたっぷり煮るなら、最初に茹でなくてもいいのかも しれない。でも、逆に言えば、苦みや青臭さがないのだ から、食べやすい美味しさと言えるのかも。“らしさ” を楽しむのなら、あまりほかの食材と混ぜずに、シンプ ルにツクシだけの素材を活かした調理をした方がいいの かもしれないので、次はそんなものに挑戦してみよう。 |
ツクシでこんなことも… |
![]() 玉子とじの反省を活かし?つつ、別のメニューに挑戦。 茹でていないツクシを使ってきんぴらを作ってみた。量 が少ししかなかったので、ニンジンを千切り風に切って 加えてみた。きんぴらのレシピはネットで調べたが、も ちろん調味料の分量などすべて適当。まず、ざく切りし たツクシとニンジンをサラダ油で炒める。この時に鷹の 爪(トウガラシ)を入れる。火が通ったら味付け用の煮 汁(出汁の素を溶いたもの、醤油、みりん風調味料、砂 糖を混ぜたもの)を加えて、水分が飛ぶまで炒めて出来 あがり。仕上げにゴマをパラパラ。結果は思いの外、美 味しくできた。苦みもほとんど感じず、シャキシャキと した歯応えがあるので、ちょっとしたおかずになる。 |
![]() ツクシがたくさん採れたときには、佃煮にして保存する のもいいだろう。下ごしらえは同じで、ぶつ切りにした 後、みりん風調味料、酒、醤油で煮込むだけ(実のとこ ろ、ツクシ料理は使ってる調味料がみな同じだ 笑)。 長く保たせるなら、かなり濃い口に味付けする必要があ る。数日で食べてしまうなら、少しあっさり目に。アツ アツのご飯に乗せて食べるのが最高。 |