ツワブキで「新芽の天麩羅」

 海辺の町に越してきて、ぜひ試してみたいと思っていたのが、このツ
ワブキ。前も一応は海辺の町に住んでいたのだけど、家は内陸よりで、
林はクヌギ・コナラの雑木林で、ツワブキの生える環境ではなかったの
だ。山菜として慣れ親しんだフキに比べて、緑が濃く葉も厚めで、見た
目はとても食用になりそうには見えない。しかし、海辺ではよく利用す
る話は聞いていたので、経験しておきたかったのだ。知り合いのブログ
「屋久島で暮らす」でも紹介されていたが、食の好みは人によって違う
し、果たしてどうなることやら…。                


タイトル   ツワブキ
  ツワブキは、フキと同じキク科属違いの多年草。本州では福
  島県ー石川県以西、四国、九州、沖縄に分布する。林内や林
  縁に生える。日陰になった場所に多いけれど、多少日当たり
  がある場所の方が株も大きい。属違いだから、フキノトウな
  どはなく、花が咲くのも初冬。冬に花が咲き、葉も青々とし
  ていることから、園芸品種も多く作られている。葉柄はフキ
  と違って空洞がない。山菜として利用するのは、主に新芽。
  やや暖地性で海辺に多いため、山菜としての知名度はそれほ
  どでもないけれど、古くから利用されているようだ。   
     
タイトル  @採集
 株の根元から顔を出した新芽を採集する。手で簡単に折
 れるが、きれいに採るならナイフを使用する。新芽は、
 1本ずつ次々に出てくるようで、1株から採れるのは1
 本(これがちょっと気が引けるのだが…)。新芽には細
 かい毛が密に生えているけれど、柔らかくて気にはなら
 ない。今回は近所の丘陵を歩いて7本を採集。時期の問
 題か、環境の問題か、やや効率が悪かった。場所によっ
 ては群生するので、そのような場所を選んだ方が、採集
 の効率からも環境へのダメージからも無難だろう。  
     
タイトル  A衣をつける
 泥がついているので、水で洗う。洗ってこすると、毛は
 取れてしまうが、取っても取らなくても味に関係ない。
 水気を切って、天麩羅用の衣をつける。茎が細いので、
 たくさん採れたなら、数本ずつまとめてもいいかもしれ
 ない。1本ずつ揚げるなら、天麩羅よりも素揚げの方が
 見た目的にもいい。衣もつけ過ぎない方がいいと思う。
     
タイトル  B揚げる
 茎(新芽)は細いので、1本ずつ揚げる場合は、揚げ過
 ぎに注意。サッと揚げるくらいでよいのでは?写真の奥
 の1本は明らかに揚げ過ぎ。写真を撮りながら…なので
 手際よくとは、なかなかいかない。その点では炒め物な
 んかの方がずっと楽。               
     
タイトル  D出来上がり
 油取り兼用で紙ナプキンでも敷けば、もっとカッコがつ
 くのだけど…(しかも、揚げ過ぎのものが目立つ…)。
 食べ方としては、段善に「塩」。味の方はと言えば、エ
 グみはあまり感じない。フキに似ているような似ていな
 いような、ちょっと独特の風味がある。とは言っても、
 “大人の味”系の山菜で、誰でも好まれるものでもない
 気がする。量的にも1人分3〜4本も食べればいいので
 は。秋の花芽も天麩羅にできるようだけど、花は食べる
 より見た方がずっといい。葉柄は、フキと同様にきゃら
 ぶきや煮物に利用できるそうだ。          

Back

From Mountain Side