エビとかヤドカリ
PENAEIDAE,CARIDEA,STENOPODIDEA,PALINURA & ANOMURA

 カニとともに十脚目を構成するのがエビとヤドカリ、それにシャコの
仲間。エビとヤドカリは種類数も多く、磯や浅い海にすむものも多い。
でも、打ち上げ生物としては、カニに比べてずっと少数派だ。いや実際
はたくさん打ち上げられているのかもしれないけれど、サイズの小さな
種類が多い上、脱皮殻もカニに比べると華奢なものがほとんど。そんな
ことから、あまり目にする機会が少ないのかもしれない。ともあれ、海
岸で見つけたエビやヤドカリをいくつか紹介しよう。        


     
タイトル   イシダタミヤドカリ Dardanus crassimanus

 大型のヤドカリで、サザエやヤツシロガイなど大型の貝
 殻を利用する。体は鮮やかな赤。左のハサミ脚が大きく
 歩脚には長い毛が生えている。湘南や三浦ではよく見か
 けるけれど、実はこれ、漁師さんが捨てたもの。純粋な
 打ち上げ生物ではないのだ。大きなものは結構肉もつい
 ていて、焼いたりすれば食べられそう(実際、食べられ
 るはず)。カニやエビと何ら変わらないし、私たちはシ
 ャコだって食べるのだから。とは言え、海岸に落ちてい
 るのを拾って、食べる気にはまったくならないけど…。


タイトル   ゾウリエビ Parribacus japonicus

 エビと言っても、普通のイメージからはかけ離れた異質
 な姿。体はとっても扁平で、尻尾の部分が短く、頭胸甲
 が大きい。この姿を草履に見立てたのが名前の由来だ。
 こんな姿でも肉質がよく、近い仲間のウチワエビととも
 に食用にされる。写真の個体は 10 センチそこそこで、
 まだ若い個体だろう。網にかかって捨てられたのか、自
 然に打ち上げられたのかは不明。誰かに踏まれたのか頭
 胸甲が割れていて、死んでいるとは言え痛々しかった。

Back