ガラス浮き GLASS FLOAT

 ガラス浮きは、漁網に使われる浮きで、別名「浮き玉」とも呼ばれて
いるもの。かつては日本でかなりの数が作られ、使われていたけれど、
今ではプラスティック製の浮きに取って代わられ、北海道など一部の地
域を除けば姿を消しつつある。このガラス浮き、海辺のお土産屋さんや
アンティーク骨董のお店で見かけたりもするように、かなり人気がある
漂着物のひとつなのだ。ビーチコーミングが盛んなアメリカでも、この
ガラス浮きはジャパニーズ・グラス・フロートと呼ばれて、高い人気を
誇っているらしい。現代のガラス製品に比べれば、材質は安く粗悪なも
ので作り方も簡単だろう。でも、とっても素朴な味わいが魅力なのだ。

     
タイトル     球形ガラス浮き
   最も一般的なガラス浮きが球形のガラス浮き。大き
   さは直径5センチほどのものから 40 センチを越え
   るものまで、用途に合わせていろいろあるようだ。
   吹き硝子の要領で作られているものが多く、へそと
   呼ばれる部分がある。色は淡いブルーかグリーン。
   これは海の色に紛れるためだろう。日本製のものは
   形に歪みが少なく、ガラスの中にある気泡も少ない
   が、中国製などは形が歪み、気泡も多い。ガラス浮
   きは、北海道や日本海側、沖縄での漂着が多い。 
     
タイトル       シリンダー型ガラス浮き
   ローリングピンとも呼ばれている、細長い形のガラ
   ス浮き。現代のプラスティック浮きでも丸いものと
   細長い紡錘形のものがあるので、使う漁網の種類や
   取りつける位置による違いなのだろう。形には多少
   バリエーションがあり、写真のものは東北地方に多
   いものらしい。色は淡いブルー。球形のガラス浮き
   に比べると漂着する数は少ないようで、僕が持って
   いるのも1本のみ。と言ってもガラス浮き自体、本
   の数個しか持っていないのだが。昔は貝殻に夢中で
   ガラス浮きなど見向きもしなかったのだが、それが
   今になってちょっぴり悔やまれる…。      
     
タイトル  色変わりガラス浮き
 一般的なガラス浮きは淡いブルーかグリーン。とこ
 ろが、中には少し変わった色をしたガラス浮きもあ
 る。ほとんどが写真のような茶系(緑黄色?)のも
 ののようだが、中には透明というのもある。漂着す
 る数はかなり少な目のようだ。写真のものは沖縄の
 西表島で見つけたもの。大きさは直径 10 センチで
 刻印はない。お土産品の中には赤いガラス浮きなど
 もあるが、そんなものが漂着したという話は聞かな
 い。意外に大切にされているか、リサイクルに回っ
 ているのか、あるいは誰も買わない…のかな?(そ
 んなことないと思うけど)           
タイトル タイトル
  ガラス浮きの刻印
 ガラス浮きにはおへそ(製造時に空気を吹き込んだ部分)に、製造元を示す刻印がついているものがあ
 る。日本で作られたものには刻印があり、中国などで作られたものには刻印がないようだ。韓国で作ら
 れたものにはハングルの刻印がある。写真の左は旭硝子、右は川口硝子製で、どちらもガラス浮き製造
 で知られたメーカーだ。                                   


     
タイトル タイトル   ガラス浮きを飾る
 写真は西表島で翌立ち寄る飲
 食店のもの。ガラス浮きの漂
 着が多い沖縄では店先や店内
 住宅の庭先などに拾われたガ
 ラス浮きが、思い思いにディ
 スプレイされていたりする。
 そんなものを探して、羨まし
 く眺めるのもなかなか楽しい
 もの。ディスプレイするには
 その人のセンスがかなり問わ
 れそうだけど、南の島で見る
 飾られたガラス浮きはどれも
 風景によく馴染んでいる。 






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