タイトル

ハマダイコン Raphanus sativus


 海岸に生えるダイコンなのでハマダイコン。春の海岸を彩ってくれる
花の1つだ。そのルーツは栽培種のダイコンが野生化したもの、と言う
のが定説だが、最近ではその節に疑問を唱える学者も多くなっている。
ダイコンはもともと地中海沿岸が原産地と考えられ、日本には奈良時代
の頃に中国から渡来した。その後、各地で栽培され、その品種は100種
類を越えると言われている。そのことから考えると栽培種の野生化は十
分ありえる。けれど、ハマダイコンはその名の通り海岸でしか見られな
い。しかも、その果実は明らかに浮くための構造が発達しているから、
これは単なる野生化ではなく、近似種あるいは変種ということが十分に
考えられるのだ。もしかしたら、栽培種のダイコンとは別に果実が海を
渡って日本へたどり着き、分布を広げたのかも知れない。そんなことを
あれこれ想像するのもひょうちゃくの楽しみ方だったりする。    

タイトル
                     花(神奈川県葉山町)

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