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マメ科種子いろいろ 

 マメ科は植物分類の中で大きなグループだけど、漂着種子の中でも大
きなグループで、たくさんの種類の種子が漂着している。専門家の方な
らわかるのかもしれないけれど、一般の図鑑を見てもどのマメ科植物が
どんなマメを作るのか、写真などで示しているものはほとんどないのが
現状。なので漂着したマメを見ても、それが何という植物の種子なのか
なかなか判別できないのだ。しかも、漂着種子の場合、日本に分布して
いない種類(属、種)の種子も漂着するから、話は複雑。でも、いろい
ろな情報を集め、資料を探して推理していくのも、また漂着種子の楽し
みなんだろう。                         


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      ピンクモダマ
      漂着物学会の漂着種子好きの人たちがピンクモダマと呼ん
      でいるのと同じ種類だと思う。2.5 ×3 センチほどの大き
      さで、比較的扁平な形。とてもきれいな赤茶色をしている
      のも特徴。モダマと呼んでいても、明らかにモダマ属の仲
      間ではなく、下で紹介するジオクレア( Dioclea)属に近
      い仲間のような気がする。漂着する数は少なく、沖縄県の
      石垣島や西表島で拾われている以外の情報はないようだ。
      僕が持っているのも2001年に西表島で拾ったもの。  







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 Dioclea.sp?
 非常に丸みがあって球形に近い形を
 したマメだ。左のものは伊豆諸島の
 の八丈島で、右は沖縄県の西表島で
 それぞれ拾ったもの。右のものは少
 し形がいびつで、色味も濃いのだけ
 ど、全体の印象から同じ種類ではな
 いかと考えている。これらもジオク
 レアの仲間かも知れない。これによ
 く似て斑模様のあるものも拾われて
 いるようだ。



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      Dioclea.sp
      漂着物学会ではジオクレアの仲間とされているマメ。大き
      さは 2×2.5 センチほどで、色は赤茶から黒茶色。いびつ
      につぶれたような感じに扁平。最初は未成熟果なのかとも
      思ったけれど、拾ったものがみなそうだったのと、ほかの
      漂着物学会員が拾ったものの中にも同じものがあったので
      これが通常の形なんだと、今では思っている。ある会員の
      方がサルモダマと名付けていたが、ぴったりのネーミング
      だと思う。







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 Strongylodon sp.?
 これも正体不明のマメだけど、やはり漂着物学会員の方が
 同じようなマメを拾われている。大きさは 2×1.5 センチ
 ほどで、丸みが強い形。色は黒く、ところどころ黒褐色の
 まらだになり、全体に光沢がある。海外の漂着種子のHP
 を見ると似たようなものがあり、それが Strongylodon属
 のマメだった。ほかの漂着物学会員の方も同じように考え
 ているようなので、当たらずとも遠からずってところか。









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