海のガラス SEA GLASS

 本来は海にあるはずのない人工物のガラス。そんなものでも海はやさ
しく包み込んで、形を変えたり、姿が変わらないように守ったり、ほん
のちょっぴり細工を施して、私たちの前にふたたび送り届けてくれる。
そんなガラスたちを海岸から持ち帰り、部屋に飾ったりクラフトを作っ
たりすれば、かつて捨てられたはずのガラスたちに新しい命と役割が生
まれる。これって、ある意味リサイクル。本来はなかったはずのものだ
し、けっこうな資源量があるみたいだから、おおいに利用しよう。  


     
タイトル   シーグラス(ビーチグラス)
 ガラスビンなどの破片が波に揺られ、海底の砂や岩に削
 られて、小石のようになったものがシーグラス。花瓶や
 水槽に入れたりすると綺麗だし、手先が器用な人はアク
 セサリーを作ったり、たくさん集めてランプシェードを
 作ったりする。利用法もアイデア次第で、人それぞれに
 楽しめる。清涼飲料水ビンの水色やグリーン、ビールビ
 ンや一升瓶のブラウンなどが多いけれど、探せば深い藍
 色やイエローのシーグラスも見つかる。同じ色で集める
 か、いろんな色を集めるか…それも個人のお好み次第。
     
タイトル   シーグラスのビー玉
 滅多に拾えないまん丸のシーグラス。波と岩が作り出し
 た芸術品?それともシーグラスから二次的につくり出し
 たもの? ラムネのビンに入ってたもの…なんて考えて
 いる人もいるけれど、本当のところはナゾのまま。もし
 偶然に作り出されるものだとしたら、岩場の多い海岸が
 狙い目のはずだけど…。そんなことはともかくとして、
 かなりいい味出してます。             
     
タイトル
 ガラスの石蹴り
 …なんてものがあるのは、つい最近知っ
 た。昔の子供の遊び道具だ。ビー玉やお
 はじきと同じようなものだろう。どんな
 遊び方があったのかはまだ調べていない
 ので分からないけれど「けんけんぱー」
 の遊びなどに使っていたのかも。僕の子
 供時代は石を使ったけれど、アスファル
 トの少ない時代なら、ガラス製でも割れ
 たりしなかったはず。表面にはマンガな
 どのキャラクターや乗り物の絵、人気者
 の名前などが刻まれていたらしいので、
 メンコのようにも使ったのだろう。  
     
タイトル
おはじき
子供の遊び道具では、稀におはじきも打ち上がる。どれくらい古いものなのかはわからないが、写真左側の黄色いおはじきはかなり古そうだ。模様などがない単純な作りで、すり減っているのか全体にちょっと薄め。すごく小さな頃に遊んだ記憶があるけれど、今時の子供たちはおはじきなんかで遊ばないのかもしれないな。海岸で見つけるガラスものは、少しノスタルジックな気分にも浸らせてくれるみたい。    
     
タイトル     打ち上げガラスビン
   時にはガラスビンが割れることなく打ち上がっていることが
   ある。シーグラスになる前な訳だけど、そのまんまだとゴミ
   に見えなくもないけれど、案外古いものが多くてこれがまた
   意外に味わいがあるのだ。多くは数十年以上前に作られたら
   しく、現代のガラス容器に比べると明らかに作りがあまい。
   厚ぼったくて形が歪んでいたり、中に気泡が入っていたり。
   でも、デザインが妙に凝っていたりするからおもしろい。現
   代はプラスティックやペット製の容器が主流だけれど、それ
   らがない時代に作られたビンたちはみな個性的。そのレトロ
   な雰囲気も打ち上げビンの魅力だろう。         
     

タイトル   ビンガラスの銀化
 打ち上げビンの中には、砂の中に何十年と埋もれていた
 影響で、ガラスが「銀化」と呼ばれる化学変化をおこし
 ていることがある。なにやらうっすらと膜が張ったよう
 な感じで、文字通りの銀色や虹色の光沢が出る。光の角
 度によってもさまざまに輝きが変化するから、かなり綺
 麗だ。写真は日光を反射させた状態だけれど、普通のガ
 ラスではこんな輝きは見られないはず。ちょっとお宝っ
 ぽい雰囲気だ。銀化は打ち上げビンならではの魅力とい
 えるだろう。                   

 銀化のいろいろはこちらから…
     


タイトル  薬瓶のかけら
 明治時代から戦後しばらくまで作られてた「神薬」や目
 薬などの薬ビン。その特徴は深い藍色。明るいところで
 は写真のようなブルーにも見えるし、暗いところでは紫
 色を帯びたようにも見える。アンティークの世界でもか
 なり人気があるようで、立派なコレクション・アイテム
 なのだ。でも、その気持ちはよくわかる。だって、欠片
 でも、これだけ綺麗なんだから。          

 *そんな薬ビンのページ、ただ今、制作中です。   

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