日記タイトル

フィールド見歩記
何気ない日常の中でふと見かけた“小さな自然”や季節の移ろいを
日記形式で紹介していこうと思います。まめの更新を努力します。



番外編1:西表島歩記 05'  番外編2:屋久島歩記 05'

2005年のフィールド見歩記





2006.4.10 Mon



青い花

 久しぶりに地元のフィールドを歩く。馴染みのある風景の中を歩くのは、やっぱり気分が落ち着
く。ふと足元を見ると、落ち葉の間からフデリンドウの花が顔を出していた。花が4つもついた、
なかなか立派な株だ。3年前に当たり年があって、その時にはこんな立派な株がいくつか見られた
のだけれど、ここ2年はまったく見られなかったのだ。まだ色味の少ない春の雑木林で、この青は
少し場違いに感じるほど鮮やか。青が好きな僕は、この花がとっても好きだ。でも、ほかを探した
けれど、結局出会えたのはこの1株だけ。まだ少し早いかな?この冬は寒かったし、あと1週間後
くらいに来れば、もっとたくさん会えるかも。野山でのこんな出会いが、とっても嬉しく感じてし
まう。 でも、悲しいこともあった。とある木の根元に生えていたイチヤクソウが、ほとんど盗掘
されていたのだ。こんな心ない人がいるかと思うと、盗掘されたこと以上に悲しくなる…    




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2006.4.01 Sat



うみぞうめん

 春の海辺を歩くと、目を引くのがこれ、「うみぞうめん」だ。これはアメフラシの卵。麺のよう
な卵紐(らんちゅう)の中に、小さな卵殻がたくさんあり、さらにその卵殻の中に複数の卵が入っ
ている。普通は岩場や海藻の間に産みつけられるのだが、海が荒れたりすると海岸に打ち上げられ
てしまうのだ。打ち上げられた海藻の間を見ていくと、この卵だけでなく、親のアメフラシ本体ま
で一緒に打ち上がっている。それも、かなりの数だ。まだ息のあるヤツはなるべく海にもどしてや
るのだけれど、とても追いつかない。浦島太郎のカメのように恩返しに来るかな? でも、アメフ
ラシの恩返しというのも何だか気色悪そうだし…ほどほどにしておこう。           
 そんな中、珍しいものを見つけた(写真下)。正体を知らない人には海藻にしか見えないだろう
けれど、これはネコザメの卵殻だ。捻れたようなおもしろい形をしている。大きさは 20 センチほ
どもあったのだけど、持ち帰って乾燥させたら、くしゃくしゃになってしまった!残念…。   






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2006.3.18 Sat



春蘭

 1週間ほど前につぼみが出ているのは確認していた。天気はイマイチだったけれど、状態のよい
うちに写しておきたくて出かけてみた。昨年に確認していたシュンラン。早春にいち早く花を咲か
せる“雑木林の女神”だ。でも、この場所は雑木林と言うよりは植林地。林床が暗いためか、ずい
ぶんと花茎が長くてひょろひょろしている。…どうも絵になりにくい(写真左は昨年のもの)。そ
こで、昨年とは違っているカメラの接写性能を活かして、アップ、煽り気味に写してみたのが右の
写真だ。天気がもう少しよくて背景が青空っぽくなり、花弁も光がもっと透けていればいい感じか
も。天気が回復したら撮り直してみよう。しかし…右の写真を見て、なんとなく万博の太陽の塔を
思い浮かべてしまったのだけど…似てる?                         
(万博→もちろん昨年の愛知万博ではなく、昔の大阪万博です。太陽の塔は今もありますが…笑)




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2006.3.12 Sun



フィールド食い歩き?

 日曜日は、地元の友人と金沢八景の野島公園でBBQをしてきた。最近はこの手の遊びをほとんど
していなかったので、強風、曇り気味の天気とは言え、楽しく過ごすことができた。写真は、その
時のメインディッシュ。ダッジオーブンで作る鶏の丸焼きだ。残念ながら(?)作ったのは僕では
なく、仕込みから何から、すべて友人夫妻(主に旦那様)がやってくれた。持つべきものは友か!?




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2006.3.05 Sun



海藻の季節

 2月 15 日の日記でも、海岸で干されるワカメを紹介したけれど、晩冬、早春から初夏にかけて
は、海藻の季節だ。多くの海藻がこの時期に繁茂して、夏には姿を消していく。一年のうちで、2
月3月というのは最も海水温が下がる時期。だから、以前はこの時期が海の真冬なのだと思ってい
た。でも、そんな時期に海藻たちは元気いっぱいに育っているのだ。確かに、この時期でも海水温
は大抵、気温よりも温かい。深海性の魚や北方系の魚は、この時期にいち早く繁殖を始める。海岸
の磯でも、アメフラシたちが盛んに活動を始めている。どうやら、海は陸上よりも早く春を迎えて
いたようだ。とは言え、寒い寒いと思っていたら、いつの間にか陸の上でも梅の花が満開。日溜ま
りでは、スミレやタンポポが咲き始めている。海に比べてちょっぴり遅れているようだけど、春が

春がやってきた!




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2006.3.03 Fri



闖入者を発見!

 ふと、部屋の窓ガラスを見ると、1匹の虫が…。カメムシだ。図鑑で調べると、よく見られる種
類のクサギカメムシらしい。しかし、いつの間に入り込んだのだろう?それほどガラス戸を開けて
いた記憶もないのだけれど…。このカメムシは部屋などに入り込んで越冬することもあるというか
ら、まさか昨年の秋から?けれど、いた部屋は暖房が一番効く部屋。中にいたのなら冬場に見つけ
てもおかしくないが…。どちらにしても、外はもうそこそこ暖かいので、早々に退散願う。だって
何かの拍子に刺激して、クサい臭いをまき散らされては堪りませんもの。           





2006.2.22 Wed



目薬瓶の完品!

 海岸に打ち上がるガラス瓶については、ここでもフィールド見歩記でもHPのビーチコーミング
のページでも取り上げている。そんなガラス製品の中で、ぜひ拾いたいと思っていた一品を、昨日
ついにゲットした。破片や少し割れたものは前に拾っていたのだが、完品は初めて。それが、写真
の目薬便だ。アンティークの世界では割と知られたガラス製品で、大正時代から昭和30年代半ばま
で使われていたものだ。写真のタイプは両口式点眼瓶と言い、昭和6年から使われているらしい。
それ以前の、ふつうの瓶形タイプはまだ拾っていないけれど、これでも十分にうれしい。いったい
いつ頃のものだろう。長い年月を海の中で壊れずに眠っていたガラス瓶。ちょっと、いいでしょ?

 今日は気温が上がって春の陽気。越冬から目覚めたアカタテハやキタテハが、ちょろちょろと飛
び回っていた。このまま暖かくなるといいのだけれどなぁ。海も山も楽しい春が待ち遠しい…。 






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2006.2.15 Wed



若布干し

 早春の湘南の風物詩といえば、この若布干し。この時期に海岸に行くと、地元の人たちが鉤竿を
もって、浅場に生えたワカメを採ったり、流れ寄ったものを集めている様子を見ることができる。
そして、浜辺の奥や港の横では干されたワカメが寒風に揺れているのだ。湘南や三浦は都会にも近
く、人も車も多い。それに、海岸沿いには小洒落たお店なども建ち並んでいたりする。けれど、こ
んな昔ながらの海辺の暮らしも、まだまだ残されている。そんな風景を見るのが、なんだかとても
楽しく感じてしまうのは、いい歳になってしまった証拠かな? 季節は少しずつ春に向かい、海岸
で干されるものは、ワカメからシラスに代わる。時期が来たら、その様子もここで紹介しよう。 





2006.2.12 Sun



春の足音

 昨日は強かった風も止み、昼間は春を感じさせる陽気だった。ウメでも咲いていないかと思いな
がら、買い物ついでに散歩に出る。裏道を行くとふんわり花の香り。近くの民家で三分咲きになっ
た白梅の香りだ。まだずいぶんと寒い日が多い気がするけど、春は少しずつ近づいてきているのだ
なぁ。そんなことを思っていたら、その後に訪れた公園ではオオイヌノフグリにタチツボスミレも
花を咲かせていた。あれだけ寒い日が続き、雪まで降ったのに。まだ葉も小さく、地面にへばりつ
くような姿なのに。この花たちには、もうしっかり春の足音が聞こえているのだ。       





2006.2.10 Fri



存在感

 夕方までにひと仕事終えて、日没の1時間前に海岸へ行く。数日前から吹いている南風が、まだ
治まっていない。南風とは言え、この季節。間断なく吹き付けられると、涙が出るくらい寒い。そ
んな状態になりながら歩いた海岸で、ふと足を止めて写した一枚が今日の写真。別に珍しいもので
はない。ただの小さな石ころ。強い波に洗われ弄ばれていながらも、波が去った後の砂の上に踏み
とどまって、しっかり砂紋を残している。その確かな存在感が、足を止めさせたのかもしれない。







2006.2.04 Sat



うずうず

 今日は仕事関係の知人と鎌倉でビーチコーミング。とっても寒かったのだけど、いろいろと拾え
たし、喜んでもらえたので良かった。自分では2〜3のものしか拾わなかったのだが、その中の1
つがこれ。ミスガイのまだ若い個体で、打ち上げられてお亡くなりになっていた。少しでも生きて
いれば海に帰すのだが、せっかくなのでお持ち帰り。軽く煮て中身を取りだしてから、記念撮影。
貝の螺塔と細い線の模様が、まるで渦を巻いているかのように見える。線の間隔や太さは一定では
なく、その間の色も少しずつ違う。なかなか素敵なデザインだと思いませんか?        





2006.1.27 Fri



海のタカラモノ

 海岸に出かけてみても、めぼしいものが何も見つからないこともある。ついこの間も、そんな日
があった。「こんな日もあるさ。でも、海に来れば気持ちがいいから…」と自分に言い訳をしなが
ら歩いていると、ふと砂浜の1点に視線が吸い寄せられた。そこに見つけたのものは、陽の光を集
めて虹色に輝く「海のタカラモノ」。海の奥底で生み出され、波がこの浜まで運んできたものだ。
こんなタカラモノがほかにある? これを見つけただけで、今日海に来た甲斐があったというもの。
そして、この虹色の輝きと、それを見つけた喜びを、誰かにそっと伝えたいと思った。     





2006.1.24 Tue



残照

 今日の夕陽は、なかなかいい夕陽だった。夕陽なんて写真にしてしまえば、どれも似たようなも
のだし、その写真もポイントさえ押さえておけばそこそこのものが撮れる。それでも、夕陽が素晴
らしいのは、今日の夕陽は今まで見たことはなく、そして、これからも二度と見られないからだ。
2006年1月24日の夕陽は、この1度限りなのだ。 この時期は、日が沈んだ後の残照もまた魅力
がある。子供の頃は星が好きで、夕方になると天気を気にして、よく空を眺めていた。西の空の残
照とだんだん暗くなる真上の空、そして一番星。沈んだ夕陽を追いかけて、あの山の向こうへ行っ
てみたいと、いつも考えていた。……実は、今でもよく同じことを考えているのだけど(笑)。 







2006.1.22 Sun



シロイセカイ

 昨日に降った大雪も、今日1日でだいぶ溶けてしまったようだ。寒いと言っても、日中の気温は
10 度近くまで上がるのだから、あっという間だろう。陽射しが出たときに心が浮ついたけれど、
やることもあったので、外には出ずに我慢した。だから、と言うわけではないけれど…昨日の更新
でボツにした写真を、なんだかなぁ…と思いながらも載せてみた(笑)。上の林の写真はモノクロ
で撮ったように見えるけれど、歴としたデジカメ写真。彩度を失ったように見える風景の中でも、
ふと気がつけば小さな色彩に出会える。雪化粧したヤツデの花の、淡い黄緑色が目に優しかった。







2006.1.21 Sat



雪模様

 夜明け前から大雪になった。雪は午後になっても降り続いて、夜になってやっと止んだ。寒いの
は嫌いだし、雪の積もる場所になんて住もうなんて微塵も思わない。でも、冬は冬らしく、1〜2
どの雪は大歓迎だ。神奈川県南部はそれほど雪が降る場所ではないから、子供の頃もあまり雪で遊
んだ記憶がない。今日も何だか少し気持ちがそわそわとして、結局2時間近くも散歩に出かけてし
まった。見慣れた街がすっぽりと雪化粧をして、見違えるように変わっている。どこか違う街へ来
てしまったかのような気分になれるのも素敵だ。でも…雪景色って写真に撮るのがとても難しい。
どれも帯に短し襷に長し。このページに載せるたった1〜3枚の写真を選ぶのにも苦労してしまっ
た。無難で、どこかで見たことのあるような写真を載せるのもしゃくなので、今日はこれ。散歩の
最後に訪れた海岸で見つけた、雪と引き潮が作りあげたおかしな模様だ。           





2006.1.19 thu



飛行機雲

 ちょっと更新が滞りがち。あまりフィールドに出ていないので…。海岸には数回出かけたのだけ
ど、さすがにこの時期はネタも少なくて。今日は鎌倉の材木座海岸と由比ヶ浜へ。昨日とは一転し
ての晴天。この冬、雪が少ないことで話題になっていた富士山も、今日はすっぽりと雪化粧してい
た。海岸歩きの方は馬の歯を1個だけ。でも、やはり海は気持ちがいい。ちょっと北風は冷たかっ
たけれど、澄んだ青空に描かれていく飛行機雲がまた何とも気持ちよかった。         





2006.1.08 Sun



ナガサキアゲハの越冬蛹

 昨日に引き続き、チョウの話題。このHPの雑木林のコーナーでも紹介しているとおり、神奈川
県南部では南方系のナガサキアゲハがもう完全に定着している。僕の部屋の前には大きな夏ミカン
の木があり、シーズン中は多くのアゲハ類が集まってくるのだが、ナガサキアゲハもその常連だ。
今日は昨日できなかった買い物に出かけたのだが、ふと思い立って探してみたのが写真の越冬蛹。
と言うのもつい最近、とある昆虫カメラマンのHPでその記事を見かけたからだ(デジカメはどん
な時でもなるべく持ち歩くようにしている)。冬を越すのに理想的に見えるこの蛹も、実は確実に
安全というわけではない。蛹のまま死んでしまうものもあるし、寄生バチに卵を産みつけられてい
るものもあるだろう。願わくば、この蛹も春に無事に羽化して、美しく舞う姿を見せてほしい。 





2006.1.07 Sat



再びてふてふ

 正月からあまり天気がパッとしていなかったが、今日は朝から快晴。洗濯をして布団を干した。
午後になってそれらを取り込もうとしたとき、何かヒラヒラと動く影が!「えっ?」と目で追うと
なんとチョウだ。黒っぽいが、羽を開いたときに濃いブルーの輝きが見えた。ムラサキツバメだ。
このチョウは昨年末に見かけたテングチョウ同様、成虫で越冬する。でも、今日は寒いよ?しかも
午後になって日も傾いたせいか、動きに生彩がない。慌てて救出して、近所の植え込みの中に放し
てきた。この冬はとても寒いけれど、冬はこれからが本番。無事に越冬できるだろうか。写真は暖
房の効いた部屋の中で、ホッと一息ついたかのようにゆっくりと羽を開いたところ。      
 夕方には今年初めて逗子の海岸へ。買い物のついでに寄ったつもりだったのだが、財布を忘れて
結局、夕陽を見てからトボトボと家に帰った…。潮の引いた海岸では、砂紋が金色に輝いていた。







2006.1.04 Wed



今年もよろしくお願いします

 正月三が日も明けて、この海山歩記も2006 年のスタートを切る。いったいどれくらいの人が、
このHPを見てくれているのかはわからないけれど、この一年も自分の見たまま思ったままを紹介
していければ…と思う。実質半年で、取材したネタや撮りためていた写真素材のほとんどを吐きだ
してしまったので、今年は昨年以上にネタ集めや写真撮影にも勤しみたい。          
 と言っておきながら、今年の正月は天気が少し悪かったこともあって、地元のフィールドを歩か
ず、文字通りの寝正月(テレビ見正月とも言う…)。それじゃあネタも写真も集まらないよね…。
正月三日は少し冷え込んで、たっぷりと霜が降りた。写真は実家の庭で切り取った中の1枚。霜の
化粧を纏っているのはブロッコリーの葉。この葉はエサの少ない冬場、ヒヨドリの大好物になる。




2005年のフィールド見歩記


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